2009年8月26日水曜日

04009■寒冷期には人間が順応








文明が誕生・発展するのは寒冷期 人間は寒い気候に適応している

――気候変動によって、過去の歴史が変わった実例はあるのでしょうか。
安田:  人類の文明が誕生するのは、常に寒冷期なんですよ。
例えば、1万5000年前に起きた温暖期から寒冷期への移行によって、人類は絶滅の危機を迎えました。それを乗り切るために発明されたのが、農耕です。
5700年前の都市文明が生まれたのは、「ヒプシサーマル」後の寒冷期ですし
一神教が生まれたのは3200年前の寒冷期、
そして現在の人類の文明を支えている科学革命は17世紀の小氷期に起きています。


―なぜ寒冷化で文明が発達するのですか?
安田:  一言でいえば、寒冷化はゆっくり進行するから、人類は対応できるんですね
例えば、現在に至る直前の氷期、具体的には一番気温が低かったのは約2万年前ですが、当時の気温は今よりも7度も低かったのです。その氷期において、最初に冷え始めたのは11万5000年前ですから、8万年以上かけてゆっくり冷えてきたことになる。これが大きなポイントなのです。
地球の気候は、氷期約8万年と間氷期(温暖期)約2万年を10万年単位で繰り返しています。人類が誕生してから現在に至るまでの約20万年のうち、17万年は氷期でした。つまり人類は、寒い気候に適応しているのです。
中世の温暖期は今よりも1.5度ほど、縄文時代の温暖期は2度ほど平均気温が高かった。このくらいの温度上昇には、人類はなんとか対応してきた。
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