このうち、
昔話には、発端句(「むかし」を含むものが多い)と結句(「どっとはらい」など)に代表される決まり文句がある。また、固有名詞を示さず、描写も最小限度にとどめ、話の信憑性に関する責任を回避した形で語られる。時代や場所をはっきり示さず、登場人物の名前も「
爺」「
婆」や、出生・身体の特徴をもとにした普通名詞的である。「
桃太郎」は、「桃から生まれた長男」の意味しか持たない。
伝説は、同じ昔の話であっても、一定の土地の地名や年代など、その所在や時代背景が的確に示され、登場人物も歴史上の有名な人物やその土地の何と言う人物など、好んで詳細に示そうとし、定義において昔話との大きな相違点とされる。これらの事から、伝説には
伝記風の態度と要素があるが、昔話はフィクション(創作)として語られている。しかし一部の土地では「
炭焼き長者」や「
子育て幽霊」などといった昔話が伝説化し、定着している例も挙げられる。
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