2010年5月9日日曜日

011241■温泉から塩製造は特殊温泉



中央構造線研修で、遠山郷の鹿塩温泉で温泉から塩製造に出会いました。どこでもできるのではないようです。前に書いた大湯温泉でも塩製造か・・・は違うのではないかと想います。

1、鹿塩温泉

ここは、長野県、南アルプスのふもとにある大鹿村。

鹿塩温泉 塩湯荘は、創業明治三十七年。

山奥なのに塩辛い、不思議な温泉の宿です。

【引用はじめ】

ちょっと、寄っておいきて。

みんなは、大鹿村がどこにあるか、知っとるかなむ?

伊那谷から、南アルプスに向かって、まっと、ずう~~~っっ・・・

・・・・・・・・っと(20km)山奥に入った、山奥谷なんだに。

そこには、昔っから海のようにしょっぱい塩の泉があってなむ。

鹿がそれを飲んでおったから、見つかったっちゅうことで、

平安の時代から、ここは、鹿塩(かしお)と呼ばれとった。

こんな山奥じゃあ、塩は何ちゅっても貴重だったで、

ここは特別な所な。

不思議だなむ。

2、塩を製造している



















3、成分はマグネシュウムが非常に少ない
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謎の鹿塩塩泉は、海水と同じぐらいの塩分を溶かしています。

塩分といっても、いろいろな成分があります。

鹿塩塩泉と海水の成分(グラム/リットル)
成分(イオン)鹿塩塩泉海水
ナトリウム10.6010.77
カリウム0.160.40
マグネシウム0.071.29
カルシウム0.360.41
塩化物19.3019.35
臭素0.040.07
硫酸0.012.71
炭酸水素-0.24
サラサラの食塩泉
圧倒的に多いのが、食塩分、塩化ナトリウムです。
ナトリウムイオンと塩化物イオンをあわせて
1リットルに3グラムもあります。
この濃さは海水と同じです。
けれども海水に多いニガリ分、
マグネシウムイオンは、ほとんどありません。

やはり海水に多い硫酸イオンもほとんどありません。
カルシウムイオンは、海水よりやや少なめです。

このように、鹿塩塩泉は海水よりも純粋な食塩水にちかく、
ベトつかない塩水です。
原水の塩分は海水よりも濃い
塩泉は、地下のどこかにある"もとの水"と、
ふつうの地下水がまざって湧いてきたものです。
鹿塩の"もとの水"の塩分は、海水よりもずっと濃いはずです。


4、なぜ山で塩が
海のない信州で塩採取!?

なぜこの地に塩泉が湧き出るのか解明しようと乗り出したのが、黒部銑次郎でした。

明治9年から黒部は岩塩鉱を求めて発掘を始めましたが岩塩は発見できず、その後黒部は製塩を開始しました。

当時発掘作業時に掘った洞窟が現在も存在し、洞窟には実際に入る事も出来ます。


現在黒部銑次郎が半生をかけた塩泉の遺志を受け継いで製塩事業と旅館を営むのが


「山塩館」4代目主人平瀬長安さん(67)。


明治38年に塩の専売法の施行で途絶えてしまった塩作りを近年復活させ、


宿の敷地に製塩施設を設け、塩を作っています。


隣接して流れる川は真水ですが、川床から10mも掘ると塩泉が湧きでてくるそうです。


一般的な食塩は、ほぼ塩化ナトリウムによって構成されているのに対して、


山塩は口の中で苦味やべったりとした印象を与えるマグネシウムが少ないので、


さらりとし、ショッパイ中に甘みを感じる特徴的な味わいです。


また塩分のほかに、温泉成分も含まれています。


「どうして山でこんな美味しい塩がとれるのか原理を証明する事は出来ないが、


キレイな水と空気、緑から出来る塩だから美味しい。


わからない事を追い求めた男のロマンを受け継いでいきたい」と主人は語ります。


この塩を使って山塩館では、お風呂のお湯も塩泉を使用し柔らかい肌触りで良く温まるそうです。


また食事も岩魚や特産の鹿肉、豆腐を塩で食べるなど山塩を存分に堪能することが出来ます。


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(まとめ)
・塩が取れる温泉はありますがごく少ないようです。
・何故かの原理もよくは分からないようです。
・鹿塩温泉の塩の成分はマグネシューム(にがり)が極端に少ない。
・マグネシュームが少ないことは今の人工の塩に近いのでしょうか。


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2016/4/9
秋田市新屋温泉で「温泉から食塩」
秋田魁新報より

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