2009年8月20日木曜日

04003■縄文土器は世界最古




安田喜憲さんの「生命文明の世紀へ」を本人のサイン入りでいただいておりました。昨年小坂町でのフオーラムでお会いしたときです。改めて読み直して感動しています。
















縄文人が世界最古の土器を作れた理由
(p63~)
1、考古学者・芹沢長介の主張

約50年前(1959)、横須賀市の夏島貝塚から出土した縄文早期の夏島式土器の測定結果が9000年前だったことから、「日本の縄文土器は世界最古である」と主張した。
とじの最新技術であった放射性炭素年代測定法を駆使した調査に基づ
き主張したのであった。しかし、大半の考古学者はその年代測定結果を受け入れなかった。


2、なぜ考古学者は受け入れなかったのか
ヨーロッパ文明の基盤となるメソポタミア文明では、土器の出現は農業誕生以後の出来事だったからである。
そのことをふまえ、考古学者たちは「縄文時代の人々はまだ農業をやっていなかった。農耕もやっていない縄文人が土器をもつはずがない」と決めてかかっていたのである。 
多くの考古学者は、年代測定結果を信用せず、縄文土器は4000年ないし5000年前のものだと考えていた。それに対し、芹沢氏は「縄文土器は世界最古である」という主張を展開していた。だが、その主張を受け入れる学者は皆無に等しかったのである。
明治以降、日本の学者の大半は、いわば“欧米の学問の色眼鏡”を通してものを見てきた。たとえ目の前に真実があっても、色眼鏡をかけていたらそれが見えないものである。

3、その後の研究で裏付けられた

その後の研究によって、いまや、芹沢氏の主張の正しさが見事に裏付けられた。
中国の玉蟾岩(ぎょくせんがん)遺跡から出土した、約15,000年前の土器は、厚さ1.5センチもある。日本最古の縄文時代草創期の土器(花見山遺跡)は、厚さ1.5センチぐらいである。16,000年前に作られたにもかかわらず、日本の土器は中国の土器の三分の一の厚さなのだ、縄文時代の日本が、いかに先進的な優れた技術を持っていたかの証左である。

4、東アジアは他地域より500年早く温帯に
 

安田チームが2003年に「年縞」分析の成果を、『サイエンス』に掲載したもの





















私たちの住むモンスーンアジアが、地球温暖化に際して他地域より500年以上も早く、広葉樹に象徴される温帯の生態系に移行したことがわかる。
「日本およびモンスーンアジアの各地域が、まだ農耕すら始まっていなかったにもかかわらず、世界最古の土器をもつことができたのはなぜか?」という謎の答えが、ここにある。

モンスーンアジアは、氷期から後氷期への移行期に、地球温暖化による生態系の遷移が世界に先駆けていち早く引き起こされ、いち早く温帯の生態系に移行した。その新たに出現した温帯広葉樹の豊かな森の資源を利用するために土器革命が、世界に先駆けて成し遂げられたのである。

■「縄文土器が世界最古である」ということは、「縄文人は世界で最も早く家族をつくった」ということにほかならない。
いまや「野蛮な未開な時代」ととらえてきた縄文時代だが、そうではないのである。

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(まとめ)
・すばらしいですね。現役の学者がこのように縄文に科学的に証明してくださるのは。
・「ホツマ」などなど、定性的な見解はたくさんありますが、科学が本当に役にたつ(失礼!)時代となったようです。
・「年縞」調査は、わが秋田県男鹿半島の「一の目潟」ですから、うれしいですね。
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