2009年11月16日月曜日

01221■鹿角市の噴火記録


5 火 山

(1) 概況
鹿角市の活火山は、十和田御倉山、秋田焼山及び八幡平であり、八幡平は奥羽山脈の北部、
秋田・岩手県境に位置し、那須火山帯に属する玄武岩の成層火山である。
最高峰(1,613m)を中心に頂部は高原状をほどこしており、付近には八幡沼、鏡沼
など多くの火山湖があり、八幡沼周辺は湿原となっている。
また、山腹には噴気地熱地帯、噴湯、湯沼、泥火山や温泉などが多数分布している。

(2) 過去の噴火活動

噴火記録はないが、昭和48年10月中旬から下旬ごろに有感地震が群発している。

(3) 火山観測

三菱金属鉱業株式会社では、大沼付近に地震計を置き、地熱発電所にテレメータして観測
している。
このほかに、気象庁、仙台管区気象台、地質調査所、秋田大学の臨時観測が実施されてい
る。

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概要

二重のカルデラと後カルデラ溶岩円頂丘とからなる。約55000年前に、現在の十和田カルデラの位置から爆発的なプリーニー式の噴火が起こり、大規模なデイサイト質の降下軽石及び奥瀬火砕流の噴出があった。約25,000年前には流紋岩質の降下軽石の大不動火砕流が流出、13,000年前には大量の火砕流
(八戸火砕流)を流出して、直径11kmの第1カルデラが形成された。その直後からカルデラ内南部に小型の安山岩火山(五色岩火山)が生じ、5,000年前頃まで、数回の軽石噴火を行い、山頂部に直径3kmの第2カルデラを生じた(現在2つの半島に囲まれている中湖(なかのうみ))(高橋:1999)。
第2カルデラ形成後には、溶岩ドーム(御倉山(おぐらやま))と湖上の御門石(ごもんのいし))が生じているが、このうち御倉山溶岩ドームは約1,000年前の軽石噴火に引き続いて形成された。



最近1万年間の活動

13000年前の大規模噴火によって、十和田カルデラの大部分が形成された。カルデラ形成後、約2000年間にわたって安山岩質マグマの活動が続き、五色岩成層火山が形成された。その後、約1万年前からは珪長質マグマが活動し、約8500年前と5400年前に大規模な降下軽石が噴出した(南部降下軽石、中せり降下軽石)。最新の活動は、約1000年前の平安時代に発生し(古文書によると915年)、プリニー式噴火による降下軽石噴出後に、大規模な火砕流(毛馬内(けまない)火砕流)が流出した(Hayakawa:1985)



記録に残る火山活動

915(延喜15)年  軽石噴火(大湯降下火砕物層と毛馬内火砕流)に続き、御倉山溶岩ドームの生成。




  ※「概要」及び「最近1万年の活動」については日本活火山総覧(第3版)(気象庁編、2005)、「記録に残る火山活動」については前述の活火山総覧及び最近の観測成果による。



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(まとめ)
・地元鹿角市の公式記録には「扶桑略記」を根拠とした平安時代(915)の噴火は見られません。

・秋田県=国(気象庁)=早川1985=Towada Historyである・・・これが日本国の考え方。

・国まで「扶桑略記」程度の資料で「記録に残る火山活動」となっているのは、何か意図を感じます。

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