2009年11月4日水曜日

04015■蕨縄とは



ホツマでは、動物霊を利用するハタレ魔軍を「蕨縄」で縛ったとあります。


1、辞書には
「ワラビの根からデンプンを取った後の繊維で作った縄。色は黒く、体制水に富む。


2、民家に使っていた

(はりつけ)
民家の結

■ 部材の緊結
建築は大量の部材の集積で成り立っている。それらを緊結することによって建築は形を成すと言っても良い。緊結には部材同志を組み合わせる方法、釘などの力を借りて固定する方法、糊などにより接着する方法、そしてここで論考する縄の力を借りて結び合わせる方法がある。縄による固定方法は最もプリミティブであることは言うまでもない。縄文時代の建築物は縄で部材同志を縛っていたとされ、復元建築物もこの方法によっている。例えば青森県の山内丸山遺跡で出土した6本の栗の大木による建築物(建築物ではないという説もあるが)の復元でも潅木を使っている。この方法は近代まで伝承されていて例えば飛騨の合掌造り民家ではネソと呼ばれる万作の木を捻って繊維を解いた縄を使ってきた。ネソは水に浸して軟らかくしてから力づくで曲げてひも状にする。それで「合掌材」というあの急勾配の屋根を構成する太い丸太と茅を取り付ける為の水平材や斜めに掛けられた巨大な筋交いなど構造上主要な部分の交差部分を縛るのである。何回も巻かれたネソは乾燥すると収縮して強い緊結力を出す。後述する藁縄に比べてこの緊結力が大きいのであの巨大な民家に利用されてきたのである。




縄で縛る固定法はその他に蔓や藁縄がある。両者共に土壁の下地となる竹や木の小舞(縦横に組んだ網状のもの)を編む為である。葡萄蔓や蕨縄は筆者が関与した秋田県の土蔵の壁から発見されたもので現在は使われていない材料である。蕨縄は辞書によれば食用となる蕨の根茎から澱粉を取ったあとの繊維で綯い作った縄とある。いずれの縄も藁縄よりも強度があるらしい。 さてこれらの縄の原材料について考えてみると藁縄では米の収穫後の茎利用、棕櫚縄は庭木としての棕櫚の利用であることがわかる。すなわち一昔前の縛る道具はほとんど自家製なのである。民家調査の機会に農家の土間に入ると錆びた縄綯機(わらないき)が片隅に転がっていることがある。縄は農業生産の様々な場面で物を縛る道具として必需品だったので縄綯は農閑期の土間仕事だったのだ。

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