2009年6月7日日曜日

01311■錦木とは何か(4)茜染めから








鹿角の紫根染と茜染から
(貼り付け)
伝承による起源〉 
口碑によれば、鹿角の紫根染シコンゾメ・茜染アカネゾメの技法は遠く奈良時代から伝わり、歴 代の領主が遥々朝廷に献上してきたものとされている。

そこまで遡ることの是非はさて おき、わが鹿角地方は、古くから伝説や民話の多い平和郷として知られる。

古代芸能の 伝統を継承する国指定重要無形民俗文化財「大日堂舞楽」を始め、白根・尾去沢鉱山発見 に因んだ和銅年間の産金・産銅伝説や、歌枕の地として「けふの細布」「錦木」の故事に 彩られた錦木塚などが、古代の息吹きを今なお伝えている

狭布ケフは京に通じると云う。 『三代実録』で上津野カヅノと記され、その後は京郡キョウノコオリとも呼ばれたように、鹿角は 早くから中央との接触を持ち、文化の恩恵にも浴していたと言われてきたことと併せ考 えて見ても、紫根染・茜染の起源伝承にはそれなりの信憑性があると思われる。   


〈身近にあった豊富な原料〉 
 元来、紫根染・茜染が鹿角の特産品として古くから育まれてきたのは、原料であるムラサキ草とアカネの根はもとより、唯一の媒染剤となる木灰の原木ニシコホリ(灰木ハイノキ 科に属する落葉潅木で、サワフタギか)が、付近の山野に豊富に自生していたことに因 るものであろう。このことについて『旧蹟遺聞』「錦木塚」の項には次のように記され ている。   


 錦木というは灰の木なり。物の色に合うゆえに其木を焼いてさせば言なり(略)けそ う(懸想)文に用いて門にたつるなり(略)奥義抄に云う灰の木にてにしきぎの糸をも 染むればにしきぎという(略)


今、鹿角郡のあたりにて紫根染には必ずの此木の灰を用 いそれににしごりあくともいう。しからばにしきぎ、にしこり木は同じ類の木にて袖中 抄の説のごとく訓の通うままに、にしきぎともにしごりとも、にしこぎとも言いしなる べし(略)今は必ず紫根にのみ用うといへり。

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(まとめ)
・錦木とともに歌枕とされている「ケフの狭布」は、神代の頃の重要な神器であることが「ホツマ」によって判明できた。
・この「錦木」が、歴史の流れの中で紫根染め、茜染めに受け継がれたものとは思われます。
・しかしケフの狭布」と同時の頃の「錦木」は、これとは違うとらえ方が必要と思うのです。
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